曲面の曲率

二次曲面

次の形で表される二次曲面の、原点における曲率について考察する。

\[\begin{split}z(x, y) &= \frac{1}{2}(ax^2 + 2bxy + cy^2) \\ &= \frac{1}{2}(x\ \ y)\left(\begin{array}{cc}a&b \\ b&c\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}x\\y\end{array}\right) \\ &= \frac{1}{2}\mathbf{x}^TA \mathbf{x}\end{split}\]

ある単位ベクトル \(v\) の方向にこの曲面を切断して得られる断面線の曲率を求めたい。 切断に用いる直線は次式で与えられる。

\[\begin{split}x(t) = tv = t\left(\begin{array}{c}v_x \\ v_y\end{array}\right), \quad ||v||^2 = 1\end{split}\]

これを曲面の式に代入すると曲面の断面線が得られる。

\[z(t) = \frac{1}{2} t^2 v^T A v\]

これを2回微分すれば \(v\) 方向の曲率 \(\kappa(v)\) が得られる。

\[\kappa(v) = z''(t) = v^T A v\]

\(\kappa(v)\) の最大値・最小値は、\(v\)\(A\) の主軸方向のときに得られる。 そのとき曲率の値は、対応する固有値に等しい。

平均曲率とガウス曲率

\(A\) が直交行列(回転行列) \(R\) によって次のように対角化されるものとする。

\[\begin{split}A' = R^TAR = \left(\begin{array}{cc}\kappa_1 & 0 \\ 0 & \kappa_2 \end{array}\right)\end{split}\]

このとき、平均曲率 \(H\) とガウス曲率 \(K\) を次式で定める。

\[\begin{split}H &= \frac{1}{2}(\kappa_1 + \kappa_2) = \frac{1}{2}\mathrm{tr}A \\ K &= \kappa_1 \kappa_2 = \det A\end{split}\]

一般に、行列のトレースと行列式は直交行列による座標変換に対して不変であるため上式が成り立つ。 上記2つの曲率は、座標系のとり方に依存しない曲面そのものが持つ「曲がり方」を表しているといえる。 以降では特にガウス曲率 \(K\) に着目して議論を進めていく。

一般化

二次曲面の例を一般化し、原点でxy平面に接する滑らかな(2回以上微分可能な)曲面を考える。

\[z = f(x, y), \quad f(0, 0) = f_x(0, 0) = f_y(0, 0) = 0\]

これをテイラー展開すると次式が得られる。

\[\begin{split}f(x, y) = \frac{1}{2}(x\ \ y)\left(\begin{array}{cc} f_{xx}(0, 0) & f_{xy}(0, 0) \\ f_{yx}(0, 0) & f_{yy}(0, 0) \end{array}\right)\left(\begin{array}{c}x\\y\end{array}\right) + \cdots\end{split}\]

上式に出てくる行列はHesse行列と呼ばれ、下記の記号で表すこととする。

\[\begin{split}H_f=\left(\begin{array}{cc} f_{xx} & f_{xy} \\ f_{yx} & f_{yy} \end{array}\right)\end{split}\]

二次曲面の式と見比べると、ガウス曲率は次のように求まる。

\[K=\det(H_f) = f_{xx}f_{yy} - f_{xy}f_{yx}\]